やってはいけない!?そのサビ取り方法は危険です!
おススメできないサビ取り方法その1
・素手でやる、ワイヤーブラシを使ってのサビ落とし
サビ落としによく使われるワイヤーブラシは金属のブラシです。片手で押さえてワイヤーブラシを使うことは思わぬ大怪我に繋がります。対象物を必ずクランプなどで固定してから使用しましょう。
おススメできないサビ取り方法その2
・防塵メガネをしないでやる、ディスクグラインダーでのサビ落とし
電動工具用のディスク型ワイヤーブラシも便利な反面、危険度が増します。
高速で回転しますので、折れたワイヤーブラシの先端が目に飛んできたら失明する恐れがあります。
必ず防塵メガネを使用し、目を保護した上で使用しましょう。
そして、おススメできないサビ取り方法として、もう1つの問題点があります。
それは研削力が高いため、サビだけでなく、他の金属部分も同時に削って傷をつけてしまうことです。
サビは取れたけど、部品が傷だらけになってしまった、ということがないよう、サビの度合いに応じてブラシを変える経験と技術が必要になります。
おススメできないサビ取り方法その3
・酸性トイレ洗剤でのサビ落とし
ネットで「サビ取り方法」と検索すると、トイレ洗剤でサビ取りができる!とサビ取りの方法を具体的に記事にしているサイトがたくさんあります。しかし、これは残念ながら非常におススメできない方法です。
説明書きには「用途外に使わない」と赤文字で書かれています。
さらに
【使えないもの】「金属製品・・・変色したり、素材を溶かす場合があります。 特に、ステンレスに原液が付着すると、黒く変色しますのでご注意ください」
としっかり明記されています。そのトイレ洗剤は便器についた黄ばみ(尿石)を取るためのもの。気をつけてくださいね。
サビの豆知識
- 錆(サビ)の種類
- ステンレスはサビないって本当?
- ツタンカーメン王のサビない短剣の謎
錆(サビ)の種類
サビにはおもに赤サビ・黒サビ・白サビ・青サビなどがあります。
サビというと腐食を起こす悪いもののように思えますが、役に立つサビもあるんですよ。
役に立つサビとは、ずばり「黒サビ」です。
「黒サビ加工」や「黒仕上げ」などと聞いたことはありませんか?
これはあらかじめ金属の表面に黒サビを発生させ腐食を起こす赤サビを防ぐ加工のことなのです。
黒サビは金属の表面に膜を作り、保護してくれる効果があるんですよ。
また銅には緑青色のサビが発生します。
緑青色のサビは緑青(ろくしょう)と呼ばれ、このサビも表面に皮膜を作り、内部の腐食を防ぐ効果があるのです。
ニューヨークの自由の女神もサビによって緑色をしてますが、もともとは10円玉のようなブロンズ色だったと言われていますよ。
ステンレスはサビないって本当?
丈夫でサビないイメージのステンレスでもサビは発生します。
「サビない」というより、「サビにくい」と言った方が適切ですね。
でも、なぜステンレスはサビにくいのでしょうか。
ステンレスは主成分の「鉄」が50%以上、「クロム」が10.5%以上含む合金鋼です。
クロムは酸素と結合して表面に耐食性のある薄い膜(不働態皮膜)をつくります。
不働態皮膜が表面にあると、サビにくい金属になるんです。
さらにスゴイことに、この不働態皮膜には自己修復機能があるんですよ!
不働態皮膜のバリアーがダメージを受けて破れてしまったとしても、すぐに補修が行われ元通りになります。
しかし繰り返しのダメージや強い攻撃を受けると、補修が追い付かなくなります。
するとそこからサビが生じてしまうのですね。
キッチン用品で多く見かけるのが「18-8ステンレス(SUS304)」と刻印されているもの。
これは、18%がクロム、8%がニッケル、(残りが鉄でできている)という意味です。
クロムもニッケルもレアメタル(希少金属)ですが、特にニッケル不足が深刻で価格が高騰しているんです。
そのため現在ではニッケルを使用しない比較的安価なステンレスが主流になってきています。
ツタンカーメン王のサビない短剣の謎
1920年代、ツタンカーメン王とともに発見された短剣は、驚くほどサビていませんでした。
この事実は長年にわたり、研究者たちを悩ませてきましたが、2016年ついに一つの結論がでました。
この短剣の材質を分析したところ、鉄の他に、ニッケルが11%含有しており、コバルトも含まれていました。
(通常、地球の鉄鉱石から作られた鉄は、ニッケル含有量が4%程度だそうです。)
そしてこの値は、データベースに残っている隕石の成分と一致し、短剣は隕石を用いて作られたことを強く示唆していると結論付けられたのです。
3000年以上も昔から、隕石を有効利用する方法を知っていたとは、エジプト文明おそるべしですね!
一番おススメできるサビ落とし方法まとめ
- 漬けておくだけでサビ落としができる方法であること
- サビ以外の金属部分やゴムなどの素材を傷めない方法であること
- 人体や環境に負荷をかけないものであること
上記3つのポイントを押さえているサビ落としを選べば間違いありません!参考までにどうぞ。